2014年5月26日月曜日

周囲の人の大切さ

ケープタウンで開催される“世界で最も美しい”と言われるTWO OCEANS MARATHION 。これは、私にとって人生初めてのマラソンで、しかも、56㎞で7時間の時間制限つき。「フルマラソンにも参加したことがない私にできるのだろうか。不安や心配もあるけど、是非挑戦してみたい!世界で最も美しい所を走ってみたい!!」という思いがあり、マラソンに参加することにしました。当日は、たくさんの方々からの声援があり「頑張るぞぉー。」と気持ちが高ぶりました。途中、そんな気持ちの高ぶりとは裏腹に、突然の膝の痛みで気持ちがダウン。立ち止まる度に、共に走っているランナーや応援してくれている人達から「Don’t give up. You can make it.」と励ましの言葉を頂きました。その言葉を聞くたびに「I can do it! まだまだいけるぞぉー。」と走る勇気が沸いてきました。何度も挫けそうになりましたが、一歩ずつ前へ前へと進み、何とか7時間以内に完走することができました!その時に感じた達成感と充実感は、言葉にならないほど素晴らしいものでした。「諦めなければ夢は叶う」「挑戦している過程と先には新たな景色が待っている」など人間の可能性の大きさを感じることができた時間でした。


しかし、その後、大事件が発生。完走出来て「やっぽぉーーー!」と喜んでいましたが、まさかの大切なパスポートとその他の貴重品を紛失。一気に意気消沈。しかし、気持ちを切りかえ、思い当たる所を探したり、JICAに連絡したり、警察に紛失届を出したりと、出来るだけの行動をしました。3日経っても見つかったという連絡はなく、パスポートを発行する手続きをしようとしていた矢先・・・奇跡的にそれらが入ったカバンが戻ってきたのです。現金やカード、パスポート、見つけたらそのまま奪ってしまってもおかしくない状況。しかし、そのような状況の中、そっくりそのまま全てを届けてくれたMr. Njimuさん。どうして私のカバンを奪わなかったのか、不思議に思い、空港に向かうタクシードライバーに質問をしてみました。

私:もしあなたがパスポートや現金がたくさん入ったカバンを発見したら、あなたはどうします?
運ちゃん:僕はその持ち主に返すよ。
私:どうして?
運ちゃん:確かにそのお金を取ったら嬉しいよ。でも、その持ち主は悲しいでしょ。その人の悲しんでいる顔はみたくない。僕は、自分で働いて稼いだお金でハッピーになりたい。人の物でハッピーにはなりたくない。
それを聞いてジーンとしてしまいました。「Mr.Njimuさんもそのように思っていたのかな。」と少しスッキリしました。

今回の旅行は、多くの人に助けられ、人の優しさにたくさん触れられた旅行でした。自分一人では完走できなかった。完走することができたのも、当日までトレーニングに付き合ってくれた仲間や、いつも応援してくれた友がいたからこそ。そして、当日も多くの方々の応援や走っている人達から勇気をもらい、だからこそ56㎞というウルトラマラソンを完走できたのだと感じました。共に頑張れる仲間、いつも応援してくれる友人、そして陰ながら応援してくれている人たち。また、まさかのハプニングで出会ったMr.Njimuさんのような温かい心の持ち主。このような人達に出会えたことが本当に幸せー。そして、このような環境にいれたことに感謝すると共にずっとこの出会いと関係を大切にしたいと思った!!「困っている人がいたら率先して助けよう。そして、相手のことを第一に考え、相手が喜ぶような行動ができる人になりたい!」と帰りの飛行機の中で思いました。


幸いにも紛失したパスポートが戻ってきましたが、多くの人たちにご迷惑をかけてしまったことを深く反省しております。帰国まで残り1ヶ月。安全と健康を心がけ、何もトラブルを起こさないよう注意し、残りの活動を全力で頑張っていきたいです!