2012年12月26日水曜日

途上国と先進国の狭間で

 ザンビアに来て、一番日本と違うと思う点は、教員1人当たりの子供の数です。私の学校は、1クラス80人から100人ほどいます。先日行われた理科教員の教員ミーティングで、来年からはさらに1学年1クラスずつ増えることが連絡されました。午前と午後のクラスを総合すると、26クラスに登ります。これを聞いた先生たちは、険しい表情。どうやって教えるモチベーションを維持したら良いのか、頭を抱え込んでいました。ざっと計算すると、教員1人当たり250人~300人の生徒を担当しています。授業時間は1コマ40分と短く、生徒1人にかけられる時間は約10秒です。半日しか授業がないので、ザンビアの子供たちは、確実に日本の子供達よりも教育を受けられる時間は短いです。この時間の差が、学力差を生んでいる1つの理由なのではないかと思いました。

こちらへ来てから約5カ月、ザンビア教員の勤務態度や生徒への指導方法など、もっとこうした方が良いのではと思うことも多々あったのですが、ザンビアの先生たちが置かれている状況が見えてきた今、そう簡単には言えないなと思いました。停電や断水が当たり前で、日々生きることに必死な中、ザンビアの先生たちはよく働いていると思います。生徒を召使のように扱っている姿に、最初は違和感を覚えましたが、教員数が足りていない状況に、場合によっては生徒にお願いするのも1つの手段なのかなと思いました。

将来のザンビアを担う子供達には、堅実に生きてほしい。そのためにも、子供たちを育てる学校にはもっともっと向上していって欲しい。幸いにも、私の配属先の学校は熱心な先生が多く、私の意見に耳を傾けてくれる先生たちがたくさんいます。日本のやり方をそのまま実践するのではなく、今のザンビアで無理なく取り入れられる方法を一緒に見つけ、共に挑戦していくことが大切なのだと思いました。今度、理科の先生たちと理科教員の部屋を掃除する予定です。どのような掃除になるのか、はたまた掃除が持続するのか、楽しみです!!また、その後の様子はこのブログを通して伝えていきたいと思います。
 

2012年12月21日金曜日

異分母の引き算に関する授業


 どうもこんにちは、馬場研M1の益子です。 昨日ザンプロゼミを行いました。昨日は僕と原田さんが分数の中の「異分母の引き算」をテーマにして授業を行いました。
 
 僕の授業の目標は「異分母の引き算をどうすれば計算できるか考えさせ、そのためには通分することを理解した上で計算が出来るようになる。」でした。
 
 結果、生徒に考えさせることがうまく出来なかったです。その原因の一つが生徒の意見を授業でうまく使えなかった事でした。どうすれば異分母の引き算の計算ができるか、いろいろと意見が出たにも関わらず、それらを用いてどう授業を進めるのか準備できていなかったのです。そのため意見に流されてしまい着地点が曖昧になってしまいました。生徒にとっても理解も深くならない授業だったかなと思いました。
 
 
 
 次回は生徒の意見を予想する。どの意見を使うのか、その意見を用いてどう進めるのかを準備したいと思います。
 
 原田さんの授業に関してはやっぱり上手かったです。授業の構成の仕方、生徒の意見の用い方、生徒との意思疎通、授業での振る舞い方など見習うべきところが沢山あったので自分の授業に取り入れていきたいと思います。

2012年12月16日日曜日

11月に行われたイベント


 ザァーザァーと大量の雨が降る、雨季に入ったザンビアです。乾季に比べ雨季の夜は気温が急激に下がるため、快適に眠ることができます。

11月は、柔道日本大使館杯、そして先輩隊員の任地でのスポーツ×日本文化紹介イベントと2つのイベントがありました。私は、ソーラン隊として両方のイベントに参加してきました。今回は、それらのイベントについて紹介していきたいと思います。

柔道日本大使館杯。これは、ザンビア人と日本人が柔道を通して交流を深めるイベントとして1986年から開催されているそうです。ザンビア人の柔道は、とても迫力があり日本の伝統的スポーツと言えども、日本人顔負けでした。ザンビア人と日本人が真剣に試合に臨んでいる姿を見て「国境を超えたスポーツによって、相互の絆を深められるものであるな。」と改めて実感しました。「このイベントによって、多くのザンビア人が柔道に好感をもち、柔道を始めるきっかけのひとつになればいいな。」と思いました。

 
スポーツ×日本文化紹介イベント。このイベントは、日本の文化や食事の紹介と共にスポーツを通して交流を図り、相互理解を深めるイベントです。ソーラン隊の迫力あるダンスから始まり、日本文化紹介、スポーツイベント交流という日程でこの日は進んでいきました。ザンビア人の子供が踊るソーラン節は純粋でかわいらしく、見ている観客の心を引きつけました。もちろん、私の心も引きつけられました。私は、ソーラン隊だけではなく日本食の一つとして紹介されたカレー作りも担当しました。そして、7月のブログで宣言していた鶏さばきを挑戦しました。鶏さばき宣言から4ヶ月目でやっと実行の時がきました。まちに待った鶏さばき。もちろん平然と鶏をさばくことはできず、終始「ギャーギャー!」と騒ぎながらの作業でした。終始、騒いではいましたが、怪我をすることもなく、無事に鶏をさばくことができました。1117日は、私にとってザンビアで初の鶏さばき記念日となりました。さばいた鶏はチキンカレーとして、みんなで美味しく頂きました。スポーツイベントでは、ザンビア人対日本人でバレーボールとサッカーの対戦を行い、久しぶりに熱く燃えたスポーツ対戦でした。この日は、内容の濃い充実した楽しい一日を過ごすことができました。

そして、今回のイベントを終えて「自分の任地のカブエでも配属先の学校と周辺の地域住民を巻き込んだイベントを開催したいな。」と思いました。私の配属先の学校は、日本人ボランティア受け入れが初めてであるため、日本についての理解が希薄な部分があります。なので、文化交流イベント等を通してザンビアと日本の異文化相互理解へ繋がる機会を提供できたらと考えています。またそのようなイベントを通して、ザンビアと日本の交友関係も更に深めていきたいと思っています。「あんなイベントやろう!」、「こんなイベントやろう!」と、イベントのことを考えていたら、何だか気分がワクワクしてきた樺島からの11月のブログ更新でした!

2012年12月11日火曜日

JICA中国でのザンビア研修


こんにちは、野中です。西条はめっきり寒くなってきました。

 先日、ザンビアから教育省の方や教員養成学校の学長や講師が研修のためにJICA中国に来られていました。その研修は授業研究のための教材研究ということが主な目的でした。馬場先生がその研修の講師をされていて、「ザンビアの数学授業で感じた課題」を話すようにと10分間だけ時間を頂きました。

 ザンビアで働いていてエライ人にここを変えてほしいと思ったことはたくさんありました。なので、これはチャンスだとザンビアでの活動を思い出し、相談し、2つだけ伝えようと決めました。

1つは自己反省をすることです。授業研究や学校で授業を作っている同僚を見ても思いましたが、うまくいかない、都合が悪いことなどは自分ではない何かが悪いからだという論理になってしまいます。そういう場面をよく見てきました。もっと自分を振り返ることができれば授業もよくなっていくのにと思ったことが何度もあります。

2つ目は生徒の能力です。1つ目と関連していますが、うまくいかなかったとき生徒の能力がないからできないと考えてしまうことです。生徒に能力がないから自分の授業がうまくいかないと言ってしまえばそこで終わってしまいます。何もかも終わりです。それがすごく嫌でした。生徒は能力をまだ持っているから、先生達には生徒のせいにするのではなく自分を反省して授業をよくしていってほしいと伝えました。
 
始めに自己紹介をして、ひとりアイスブレイキングをしてから上の2点を伝えました。ひとりアイスブレイキングでは新井さんから授かったジョークを言いましたがすべりました。それ以外はすごくいい感触でした。言いたい内容が何だか一般的なことになってしまってちゃんと伝わったかなと思いましたが、それが本当に言いたいことだったから仕方ありません。発表の後にはたくさん質問を受けて嬉しかったです。ほんのちょびっとは言いたいことが伝わったのかなと思いました。

2012年12月6日木曜日

マラリア


 先日、マラリアを患いました。私の住居は生徒の寮と隣り合わせにあって、雨期が始まってからは多くの生徒がマラリアにかかっていたので、対策はしっかりとしていたつもりでしたが、とうとう私もかかってしまいました。最近は忙しくて、あまり休めていなかったのも要因だったかもしれません。

 マラリアは大量の汗をかいたかと思えば、その次の瞬間には何枚毛布を被っても悪寒を感じるという本当に気持ちの悪い病気でかかって数日間は体力が奪われました。病気自体で体力が奪われるだけでなく、処方される薬を内服することによっても奪われるので、30分程歩くだけで疲れていました。

 私の場合は、かかってすぐに治療を始めたので、大事には至りませんでした。もう一度、気を改めて、病気や事故に巻き込まれないようにしていきたいと思います。

2012年12月1日土曜日

チーム感


こんにちは。帰国して10ヶ月が経つ原田です。
突然ですが、私、ミュージカルが大好きなんです。
これまでいくつかのミュージカルを見たのですが、先日また新しいミュージカルを見てきました。
やっぱりとっても感動しました。

多分、そこまで気持ちが入るのは、自分がダンスをしてた事も要因の一つだと思います。
ミュージカルやダンスにしろ、特にそのチーム感が好きなんです。
人前で、自分たちがいいなと思っている事をショー作品としてチームのみんなと表現できるのは、とてもおもしろいです。

なのでミュージカルを見ると、一つの作品のために、チームの中での自分の役割やメンバー、照明、衣装だとかたくさんの要素を踏まえながら、チーム全体でどんどん完成度を上げて一生懸命に作り上げられたもの、と思いながら見てしまうので、更に感動しちゃいます。

一つ、ザンビアでやりたかったな、と思うことに、こういった全体で何か一生懸命になる場を生徒に提供できればよかったなと思っています。

私がいた学校のクラブ活動でサッカーなどを見ていても、チーム全体というより個人プレーでゲームを進めていたり、運動会のリレーでは一着でなかったら走るのをやめてしまったりと、そんな場面がありました。
なので、何か結果だけにこだわらない一生懸命になれる過程の場を作れたらよかったなと思います。しかも、個人ではなく全体で、且つ数学の授業以外で。

今、思うとザンビアで色々やりたかったこととかやれなかったことが出てきます。
少し、切ないですね・・・。