2013年12月26日木曜日

想いよ、届け!

  
 私が担任している9Bの生徒たちが無事に国家試験を終えました。そして、今年の5月から任せられた担任生活も幕を閉じました。

  受験の学年であるG9の担任は、毎日が生徒との真剣勝負の日でした。受験勉強でストレスを抱えている生徒たち。ストレスで問題を引き起こす生徒たち。そのような環境の中、担任としてどれだけ生徒たちに寄り添い、彼らの問題を共に共有し、励まし彼らの勉強へのモチベーション向上のお手伝いをできるのかが私の中での大きな挑戦でした。担任は思った以上に大変で何度頭を抱えたことか。でも、担任をしたからこそ生徒たち一人一人とより向き合うことができ、そこで新たな発見や経験をすることができたのが一番の財産です。国家試験が終わるまで気を抜くことができず大変だったが生徒たちが無事に試験を終えるのを見届けほっと一息つくことができました。担任として生徒たちにどこまで、そして何ができたのか正直分かりません。


ただ生徒たちに感謝の気持ちを伝えたくって一人一人にお手紙を書き写真と一緒に添えたものを最後にプレゼントすることにしました。手紙を書いているときに生徒一人一人との思い出や事件、色々なことがあったなぁーって懐かしく感じると共にもうお別れかという少し寂しい気持ちになりました。でも、お別れの日はきちんと笑顔でさよならをしようと決めました。だが、今日で9Bの生徒たちの前に立つのも最後、もうお別れなんだ、思ったら寂しくなり涙が出てしまいました。何人かの生徒たちも急に泣き出してしまい笑顔でさよならどごろじゃありませんでした。笑 手紙と写真をもらった生徒は本当に嬉しそうでそれを見て私まで嬉しくなりました。

 9B の担任をすることができて本当に良かったなーって。9Bの生徒たちに感謝の気持ちでいっぱいです。今までありがとぉー。

 生徒たちの今までの頑張りが試験の結果に反映しますように。そして、晴れてG10に進級できることを願って。G10に進級できた生徒たちと会えるのを楽しみにしたいです。

2013年12月21日土曜日

数字だけを追いかけてきたことの弊害

一か月間のザンビア再訪から、先日帰国し、すっかり大学院生の暮らしへと戻ってしまいました。ザンビアでは青年海外協力隊として活動していた学校で共に働いた同僚の好意で、その同僚のお宅へお邪魔していました。ザンビアの文化なのかどうかわかりませんが、その同僚が身の回りの世話をすべてしてくれました。何かしないと気が済まないので、意気揚々と箒とちりとりを両手に、頭には鉢巻をして、玄関周りを掃除していると、同僚に「やめろ、お前は客なのだから、そこで座っておけ。」と言われる始末でした。彼には本当にお世話になりました。

さて、この滞在の本分は「調査」であったわけです。忘れてはいけません。私はグレード7(日本の中学校1年生程度)の学期末に行われる国家試験に関する調査をしていたのですが、その一環で行った教師を対象に行ったインタビュー調査で、面白いことが明らかになってきました。

ザンビアを含めた多くの南部アフリカでは、初等学校の修了要件として、国家試験に合格する必要があります。ところが、近年国家試験の結果に関わらず、すべての児童を修了させるという動きがあります。こういった背景を踏まえて、今回のインタビューを振り返ってみますと、様々な問題が挙がってきました。ここで多くは語ることは出来ませんので、一つだけ。

学校、特に村落部に位置する学校では日本でいうところの特別支援学校が近所にありません。ですから、特別な支援を要する児童は近くにある普通の学校へ通うわけです。先ほども申し上げた通り、国家試験を受けた児童は誰でも自動的にこの国家試験に合格しますので、特別な支援を要する児童も合格し、次のステップに進む切符を手に入れるわけです。誰もが、中等教育にアクセスできるようになることは素晴らしいことですが、中等学校へ進級できたとしても、彼らにとって必要な教育が提供されるとは考えにくいです。そうだとすれば、彼らは中等学校で何を学び、どんな能力を身につけることができるのでしょうか。

ミレニアム開発目標や、様々な国際的な数値を伴う目標によって、その目標を達成したかどうかが明確にわかるようになりました。ところが、設定された数字だけを追いかけ、内実を伴わない空っぽの数字を達成しても何の意味もありません。教師からのインタビューで明らかになった問題は、空っぽの数字だけを追いかけてきたことの弊害であるような気がしてなりません。

2013年12月16日月曜日

初めてのタームを終えて

こんにちは、ザンビア人でも知らないルコンバという小さな村で活動している益子です。

ルコンバの学校で教え初めて、最初のタームが終わったので今回はその感想を書こうと思います。


教壇に立って初めてのターム。僕はgrade10(高校一年生)の数学を二クラス担当しています。このタームは12週あるのですが、同僚から教える内容は5つのトピックを教えるよう指示されてました。

結果的に全部のトピックを教えたのですが、振り返ってみると何人の生徒がついて来れたのだろうかと思います。生徒達は生徒がしっかり一つ一つの内容を消化出来たかというと一部の勉強熱心の生徒だけで、残りの大半の生徒にとってはとても速いスピードで授業が進んだため、あまり理解できなかったかと思います。

毎回の授業で生徒達と接し、生徒達を見ながら彼らのペースに合わせながら授業を進めてきましたが、僕の中で5つのトピックを全て終わらすということが一番の優先順位にきてしまったため、このような結果になったんだと思います。

れでよかったのだろうか?しかし、クラスの一人一人がついて来れるペースで進めた方がよかったのだろうか?そうすると内容を終わらす事は出来ない。内容を終わらす事を優先して授業を進めるとついて来れる生徒は一部だけ。

この悩みはずっと続くと思いますが、誰のための授業なのかしっかり考えて今後取り組みたいと思います。

2013年12月11日水曜日

環境の創造:水中ホッケーアジア大会を通して

ザンビア特別教育プログラムで教員を行っていたとき、青年海外協力隊でパプアニューギニアで活動を行っていたとき、常に生徒が活躍できる環境をいかに創造できるかを意識してきました。

ザンビアでは科学に興味を持っている生徒と共に自由研究の大会に出場し、三度目の挑戦であった高校3年生の時に全国大会優勝を果たしたり、パプアニューギニアではやんちゃな生徒と共にソフトボールの練習に打ち込み、州代表としてソフトボールをプレーしたり、そんなときに見せる生徒の笑顔がザンビア特別教育プログラムや青年海外協力隊の醍醐味でした。


ザンビア特別教育プログラム修了後、大学時代に行っていたフィンスイミングの実績が認められ、水中ホッケーの代表に選ばれアジア大会を戦いました。残念ながらアジア大会ではほとんど活躍できず、その時の雪辱を果たすべく、月に1度関西のチームの練習に参加し、競技力の向上に努めてきました。ただ、月に1度の練習では競技力を向上させることは厳しく、また当時の広島には水中ホッケーを行う環境は全く整っていませんでした。


そんな時、環境が全く整っていない中必死に頑張っていたザンビアやパプアニューギニアの生徒の姿、そして彼ら・彼女らが活躍できる環境を創造してきた経験が頭をよぎりました。水中ホッケーを行う環境が無ければ、自ら創造すれば良いと。

幸いにもよき人々に恵まれ、練習仲間だけでなく練習環境も整い、チームから7人のメンバーが日本代表に選ばれました。今年のアジア大会においても、残念ながら優勝は逃しましたが、広島において水中ホッケーは着実に根付きつつあります。今後も水中ホッケーの普及に努め、2年後のアジア大会では優勝したいと思います!

2013年12月6日金曜日

モバイルラボラトリーの導入

先日、ザンビア教員向けのワークショップへ参加させて頂きました。内容は、モバイルラボラトリーの使用方法についてです。モバイルラボラトリーというのは、簡易型の実験台で、実験室が無い学校でもそれを用いて実験を行うことができるという、とてもザンビアの現状に適したものです。元々は、ザンビアへ協力隊として派遣されていた方がこの台を発案しました。今では何千台と作られ、ザンビア教育省によって各州へ導入され始めています。その一片を、今回見させていただきました。

ザンビアの学校では、実験を導入した授業はあまり見られません。それには様々な問題がありますがその問題の1つに、授業時間が少なすぎるということが挙げられます。先生たちは、少ない授業時間の中でシラバスを終えなければいけないので、実験を取り入れている時間がないのです。また、ザンビアの先生は実験を授業に取組むことは嫌いではないと思います。なぜなら、生徒の反応がとても良いですし、実験を取り入れた方が良い授業だということを分かっているからです。ただ、今まで幼少期を実験を通して教わってこなかった先生が、それを授業に取り入れるのはとても労力が必要なことです。日本の状況に置き換えると、今まで英語を日本語で習ってきた先生が、英語を英語で教えることと同じような状況だと思います。

 
しかし、日本の先生は教員としてのプライドがあります。子供たちの未来のために、一生懸命努力します。こうした先生たちの熱い気持ちが、今日の日本を作り上げているのではないでしょうか。ザンビアの先生たちにもこの熱い気持ちが伝われば良いなと思いました。

2013年12月1日日曜日

青年海外協力隊 派遣前訓練 「Home classとTechnical class」

二本松訓練所より東です。

訓練も後半戦に入り、宿題も多くなり大変になってきました。NTCでは英語やスワヒリ語、ラオ語、タイ語、インドネシア語などが毎日どこかで飛び交っている、IDECとはまた違う不思議な環境にいます。

今回訓練所のmainパートとも言える語学クラスについて紹介をしたいと思います。

ザンビアの公用語が英語であることもあり、私は現在英語の語学訓練を行っています。

語学クラスにはHome classTechnical classがあります。Home classでは主に英語の使い方や話し方などを学んでいます。IDECである程度英語を使っていたため大丈夫かなと感じていましたが、よく文法のミスを指摘されます。まだまだ勉強が足りないなと感じ勉強をしています。そして、授業では毎日先生の愛を感じながら学習をしています。先生の雰囲気のおかげか、クラスのメンバーはとても仲がよく毎日楽しく課業後の自習時間にもよく教室に集まり勉強をしたり会話をしたり楽しく過ごしています。私以外のメンバーはタンザニア派遣のメンバーなので国が一緒だといいのになあと時々感じます。
 
先日、クラスメンバーが訓練中に誕生日を迎えました。私達も誕生日を祝うべく寄せ書きをして準備をしていました。当日は先生が大きなバースデーケーキを買ってきてくれたこともあり準備は万端でした。いざ、誕生日を祝う場面では他の教室からもたくさんの人が集まって誕生日を祝いました。メンバーの楽しそうな姿をみて訓練中に誕生日を迎えるってうらやましいなあと感じました。
 
 
Technical classでは、主に英語での模擬授業をやっています。私の研究もともとの専門は数学なのですが、職種は理科教育となっているため数学と理科の授業を半分ずつやる予定です。特に理科の部分に関しては専門用語が難しいことや、長い間理科からはなれた生活を送っていたこともあり、戸惑う部分もたくさんあります。先生や仲間に支えられながら毎日準備をおこなっています。

私のTechnical classは他のクラスと比べて少し特殊です。その理由はメンバーの半分が体育隊員であるからです。そのため模擬授業の半分は体育の授業です。そのため普段見る理数科の授業とは違うものを感じるためとても新鮮です。メンバーのほとんどがHome classのメンバーと同じということや、年齢がとても近いこともありこの授業でも楽しく勉強をしています。
 
訓練生活も残り半分を切って毎日大変なことがたくさんありますが、ここでしか得られないものを一生懸命得て派遣につなげていきたいと思います。