2015年10月26日月曜日

独立記念日にパラスに行ってきました

10月24日はザンビアの独立記念日。今年で独立51年目。この日は国をあげてお祝いです。


うちの村では,毎年この日の前後にチーフ(部族や地域の長。場所によっては大統領が挨拶にいくところもあるとかないとか)のパラスと呼ばれるお家にみんなでいきお祝いをする慣習があります。
去年行き損ねたので,今年は生徒たちと一緒にパラスへ。何にも目印のない道を車で約40分ほど走ったところにパラスはあります。遠い。とても遠い。その間生徒達はバスの中でお祭り騒ぎ。パラスに着くと手作りの槍と弓矢を持ったガードマンが周りにあふれていることにびっくり。


生徒の代表が他の生徒に向かって「ここは普通の場所とは違うからそそうのないように」と言ってるそばからある酔っぱらいがガードマン4人に引きずられ,井戸水をかけられる制裁を目撃。生徒達、僕ともにたじたじ。それからびくびくしながらガードマンを見ていると彼らに呼び出されて、「こっちきてきて、怖がらないで!あ、槍?これ飾りだから!大丈夫大丈夫!」と腕をひかれることに。飾りって…。安心した反面、いままでおびえてた時間を返してほしいという言葉をぐっと押さえて彼らと写真を撮ることに。なんとフレンドリー。



チーフの場所に着きすぐに祭典が始まるのかと思いきや、待たされること約5時間。チーフは家からなかなか出てこない。その間伝統的なビール(トウモロコシとミレットを発酵させたもの)が振る舞われていました。この日は年齢に関係なくみんながお祝いとして飲んでました。


やっと祭典が始まるのかと思いきや、なにやら儀式がはじまったみたい。それはチーフの家の裏手で行われていました。その儀式をみるためには何故か靴を脱がないといけないとのこと。靴を脱いで向かうとこの地域のチーフと近隣のチーフ2人が祠のようなものの周りを歩き回り伝統的なビールを口に含み観客に向かいかけまくってました。儀式自体は全部現地語で行われていたのでチンプンカンプンでしたが、なにやら人間の頭蓋骨を大衆に示していました。後からチーフの長男に聞くと、あの頭蓋骨は東部州で悪いことをして捕まった人の頭蓋骨らしくおそらく戒めなんでしょう。びっくり。


それからチーフが祭典の会場へ。他の2人のチーフは歩いていたのでこの地のチーフも歩いていくのかと思いきや、いすに座ったまま担がれて先ほどのガードマンに守られて会場へ。ただならぬ雰囲気。
祭典自体は、歌や踊りのだしもの、チーフ自らがくわをもち何らかの儀式を行っていました。多分これから育てるトウモロコシの豊作を祈るものなんだと思われます。確か日本の天皇も米の豊作を祈る儀式やってたよなと思いつつも儀式の名前は思い出せず…。



式典が終わり帰ろうとするとスクールバスの姿がなく、何もないところで3時間くらい待たされるというトラブルもありましたが、生徒達は月明かりの下で歌って踊って大騒ぎ。きっと伝統的なビールを空腹で飲んでるせいで酔っぱらってたんだと思いますが笑


ザンビアにきてこの日がおそらく一番衝撃的な一日でした。なんか1500年くらい前(それ以上?笑)の世界に来た感じでした。現代のルールが通じないような雰囲気に背筋がぞくっとしました。
なかなか話す機会がなかった同じ地域で活動しているイギリス人のボランティアと話をしたり、その辺の人たちとおしゃべりしたり。


チーフの長男と跡継ぎについて話をしていました。跡継ぎに関しては、彼はあんまり継ぎたくなさそうでした。というのも彼は敬虔なクリスチャン。今のチーフがキリスト教と土着の宗教両方を信じながらやっているという現実と、後を継ぐとなると土着の宗教も引き継がなければいけないという現実にゆれているようでした。うーむ、難しい…。


今生活に関わる色々なものが近代化していくなかで、今でも彼らのもつ文化を守りつづけようとする姿を見ることができました。と同時に、私たちも自分たちができる日本独自の文化をきちんと継承しないといけないなということと国の創立記念日をきちんとお祝いしないとなとしみじみ感じた一日でした。