2013年6月26日水曜日

「やりたい」をサポートする


任期終了を間近に控え、最後に教員を対象とした研修会を開催しました。州の教育事務所に勤務しているMacikoさん(ザンビアでは一般的な名字で、彼は男性です)と共に2ヶ月程前から計画してきたこの研修会は中央州の各郡から二校ずつモデル校を選定し、数学科と理科の学科長を対象に開催されました。テーマは「主体的な学び」ということで非常に本質的な内容になりました。当日は日本やマレーシアへ研修に行かれたザンビアの先生方やJICAの専門家、協力隊員などの協力を得ながら、無事に終了しました。今回参加していただいたモデル校の学科長は今後、各学校で研修会で学んだことを広め、さらにそこから近隣の学校へ波及させていくことが期待されます。

さて、今回は企画当初よりMachikoさんや教育事務所の「やりたい」をサポートしようと心に決めていました。それが協力隊員としての本望ではありますが、いざやってみると難しいものです。「やりたい」を大切にしながら、自分の思いも伝え、なんとか形にしていくことの難しさを実感しました。これらを行うためには姿勢や気概だけではなく、豊かな経験と確かな知識が必要です。細かく挙げていけば、もっとたくさんの能力や資質が要求されるでしょう。
ザンビアにおける教育の課題を日本人だけで審査し、それらを改善するための研修会を日本人だけで企画し、開催するような方式の研修会は今まで何度も見てきましたし、してきました。こういったタイプの研修会にも、もちろん良い所はあります。ザンビアで生まれ育った現地の教員にはない視点を提供することが出来ますし、日本人だけで企画するのでスムーズに準備が進みます。しかし、一方で気をつけないと「教える者」「教えられる者」というイメージを強化させることにもなります。日本人で企画し、運営した研修会で共に学びあうことを標榜しながら、ふと気がつけば座学しているザンビア人教員を取り囲むように、日本人が教室の後ろの壁際に立って並んでいた時の驚きは今でも忘れられません。

今回の研修会はこれまでの研修とは一線を画したところに大きな意義があったと思います。ザンビア人教員同様、日本人ボランティアにも大きな学びがあった研修会でした。一方で今回の研修会を通じて、図らずも自分の無力さを感じることになってしまいました。これからの課題として、見つめ続けたいと思います。