2013年4月6日土曜日

子は鎹(かすがい)

 
先日は寮制である私の学校で年に一度行われるPTAミーティングがありました。いずれの保護者も生徒の暮らす寮を具に観察したり、食事内容を聞いたりしていました。その後には「ここはどうなっているんだ。」「ここは修理が必要だ。」など熱心に教師たちに改善を迫っていました。久しぶりに親や親族と会う子どもたちの表情は喜びに満ち溢れていて、一生懸命に学校を案内している様子を見ると、こちらまで幸せな気分になりました。さらに「君がMr.Yamanakaか。子どもから話は聞いてるよ。いつもありがとう。」とわざわざ言ってくれるご両親もいらっしゃって本当に教師冥利につきます。

 
さて、古典落語の人情噺で「子別れ」というのがあります。その後半部分を「子は鎹」と呼びます。「鎹(かすがい)」というのは材木と材木とをつなぎとめるための両端の曲がった大きな釘のことで、この二つの材木が親を、そして鎹が子を表しているわけです。

子を想う気持ちはきっとどこへ行っても変わらないんだろうなと、遠く日本に暮らす両親の顔が思い浮かびました。今日は久しぶりに電話でもしてみようと思います。