2013年3月6日水曜日

STEPS WORKSHOP IN SOLWEZI

 
先日、JICA専門家主催のWORKSHOPに参加してきました。このWORKSHOPは、主にザンビアの数学教員や校長先生向けに行われた講習会で、日本からは現職の副校長先生(下記:K先生)が専門家として訪れました。この方は、実際には校長先生のお仕事をされていらっしゃいます。STEPSStrengthening Teachers' Performance and Skills through School-based Continuing Professional Development Project)というのは、2011年から2015年にかけてザンビアで行われているJICAの技術協力プロジェクトの名前です。今回のWORKSHOP2日間に分けて行われ、1日目は副校長先生による日本の学校の紹介と校長先生の学校運営方法について、2日目は実際にザンビアで行われている授業研究を実践した後、K先生からのコメントと質疑応答が行われました。私は、初めて専門家主催のWORKSHOPに参加かつ、日本が技術支援している姿を目の前でみることができたので、とても貴重な体験となりました。また、プロジェクトの一環でザンビア教員や教育省の方が、実際に日本へ研修を受けに行っており、日本の教育現場を肌で感じることで、日本人の教育への姿勢がザンビア教員に伝わっているように思いました。


ここ数年、ザンビアの学校でも授業研究が実施され始め、生徒中心主義が謳われています。しかし、なかなかこの生徒中心主義の本質は理解されておらず、今回のWORKSHOPでもそのことが焦点となりました。授業内容は、高校3年生の数学でグラフから速さ・加速度・減速度を計算するものでした。全員の前で授業をするのは、とても緊張することだと思いますが、生徒に問題を黒板に書かせたり、23人のグループで問題を解かせたりと、授業に対して試行錯誤している様子がうかがえ、熱心な先生だと思いました。この授業に対して、教師がほとんど話をしており、生徒中心の授業が行われていないという声が寄せられました。では、生徒中心の授業とはなんなのだろう?とここからK先生の授業が始まりました。この授業で一番生徒に教えたかったことをテーマに、参加者に向けて質問をしました。「なぜ、加速度がグラフの面積と一緒になるのかを説明してください。」参加者から色々な意見が出され、そのやり取りを通じて、数学の概念を創造することの大切さ、生徒中心主義とは生徒が自ら考えること、生徒たちがただ単に活動している状態ではない、ということを伝えていました。自ら考え・試行錯誤する力を育てないと、与えてもらったきり自分では何も作り出せない、そのような人たちが集まった社会は発展していかない。聞いていて、私もなるほどな~と思いました。私自身も、中学生の時に塾に通った経験があるので、いつの間にか、答えは人から教えてもらう体質になっていたと思います。まだまだ、教員として人間的にも成長したいなと思いました。

WORKSHOP`を終えて、K先生のお話して下さったことを、どこまでザンビアの人達が心に留めてくれたのかは量りかねますが、先生のお人柄が日本の教育を語っているように思いました。