2011年10月23日日曜日

ラストスパート!!


こんにちは。
お久しぶりです。ザンビアから原田です。

とうとう私の任期も残り3ヶ月になりました。
これまでを振り返ってみて、嬉しかったり、楽しんだり、イライラしたりと、色んな事がありました。残り3ヶ月の任期といっても、11月には国家試験もあるので授業できるのは、後1カ月半くらいです。
最近は、学校へ行く道を歩きながら、もっぱらセンチメンタルになってきています。
正直まだまだ帰りたくないと、8月に馬場先生がザンビアにいらっしゃった時もダダをこねてしまいました。
  
そんなザンビア生活ですが、つい先日、大統領選挙があり、約20年続いていた政権が変わりました。「私たちには変化が必要なんだ!」と同僚が言っていました。
  
そこで、私が過ごした19カ月、何か生徒や私に変化はあったのかと、授業ノートを振り返ってみました。授業ノートというは、私の授業終了後にその授業に対する批評やコメント、気付きのようなものを、(できるだけ)記録していたものです。

そのノートを振り返ってみて気付いた事は、授業の雰囲気が変わったという事です。色んな授業スタイルがありますが、授業中の生徒の在り方や、生徒が私にする質問や要望が変わったと感じます。

最初のころ、生徒達は授業の中で例題を欲しがったり、答えの正誤に固執したりしていたり、英語を話せて主張できる生徒が強くて、個々がばらばらで、授業が単発的で終わり、後に続いていかないように感じていました。しかし、最近は自分の意見やクラスで共有することや、他の人の意見をいい意味で指摘したり、what if~?の質問をしたりするなど、授業がクラス全体で共有できている場面が増え、授業の間の繋がりが出てきたように感じています。

もちろん反省点は100万個以上あり、もっと経験や知識があれば、と悔やむ事もありますが、せっかくなので嬉しかった事を紹介してみました。

私の研究のテーマは「思考過程」で、どうして生徒が躓くのだろうというのが、出発点でした。しかし、このテーマはまだザンビアに赴任する前、もっといえば大学院入学前に決めたもので、正直日本にいる時は、ザンビアの生徒の躓く様子なんて知らなかったし、ザンビアに赴任してもこのテーマを自分が持ち続けていけるのだろうかと少し不安でした。

しかし、授業プランを作る時や授業をしている時、テストを採点している時など、いつも頭に浮かぶのが私の研究テーマです。生徒のテストの点数で測りきれないものを見る事が出来たらいいなと思います。

残り3ヶ月ですが、最初の気持ちを忘れないように研究・活動を充実していきたいと思います。

2011年9月15日木曜日

研究の話

こんにちは。
IDECで理科教育講座に所属している中里春菜と申します。

私はザンビアプログラムの一員として2009年から2011年までの2年間ザンビアにて理科を教えて来ました。本日は現在行っている研究について少しお話ししようと思います。

ザンビアでは、日本でいう中学23年生に「身の回りの理科」、高校生に「物理」の授業を行ってきました。教科書の内容は大半で日本のその学年に習うものと同じです。他方、ザンビアに限らず多くのアフリカ諸国で理数科能力の低さが問題視されており、それを伸ばすためのプロジェクトがよく入っています。まず初めに、私はザンビアと日本の理科教育でどんな違いがあるのだろうということに興味を抱きました。
もちろん、様々な違いがありました。まず、教室環境が違います。ひとクラス当たりの人数、教科書所持率、実験器具の有無などは明らかでした。また、教師の知識不足や教師中心の授業スタイルなども問題視されています。こういった様々な課題がある中で私が注目したのは生徒の基礎能力欠如でした。

教師は授業を計画する際に、生徒の反応を予想しながら進めていきます。その時にどこで生徒がつまづくかという点で、日本の同学年の学生とザンビアの学生では大きく異なります。と言うのは、ザンビアでは中学生・高校生の時点で身に付いているべき基礎能力が定着していないために、簡単な計算、文章理解というところでつまづき、その先のレベルを議論するに至りません。計算を間違える例を次に2つ挙げます。

1、分数が引き算に...
 クリックで挿入
2、分数の計算で、数値の大きい方から小さい方を割る(この間違いは分数を習い始めたころなら、よくあるでしょうが、この例は中学校2年生の解答です)
 クリックで挿入
私は、この状態に対し、緊急で対処していく必要があると思っています。既にそれを習得するべき学年を過ぎているにもかかわらず、それが身に付いていない。そして、それが壁となって先の内容を理解できない。理解できないまま上の学年に上がる。といった悪循環が形成されています。つまり、今の学年にいながらにして、基礎能力を身につけ、さらにその学年で習うべきことが理解できるような方法はないかと考えました。私の研究では、高校生を対象に調査をしました。結論としては、基礎能力欠如は練習量が圧倒的に足りていないゆえであり、それに対して有効となるのは、一つのことをパッパッと教えていくのではなくいくつかの段階に細分化してスモールステップで教えていくこと。また、ドリル問題などで繰り返し練習することです。実際にこの方法を試したところ、彼らの正答率は大きく伸びました。今は、この方法を現場の先生方に受け入れてもらうためにはどうしたらいいかということを考えています。

研究したことが今後のザンビアの教育に少しでも貢献できたらという思いで、現在、来年3月卒業に向けて修士論文を書いています。

以上、「研究のはなし」でした。
それでは、長々と失礼しました。

2011年9月6日火曜日

渋谷のつぶやき

みなさま、こんにちは。広島大学国際協力研究科、平川研究室の渋谷です。
1月に帰国したばかりでして、記憶が残っているうちに色々とお話しさせていただけたらと思います。
今日は、私のザンビア・プログラム(以下、ザンプロ)に参加した背景から、現在の研究状況、最後に私から見たザンプロの利点、を簡単にさせていただきます。
まずですが、私、理数科教師という枠では異色の文系学部出身です。大学時代は、ドイツ中世史を勉強していました。そんな私がなぜ理数科教師で協力隊へ行ったのか、疑問に思う方も多いかもしれません。語りだすと長くなりますので、手短にご説明しますと;
    途上国の教育を勉強したいと、ドイツへの留学を終えた学部3年時代から、考えるようになる。
    途上国の教育を専門にやっている大学は、あまり多くない。⇒興味・関心の関係から、広島大学国際協力研究科の平川先生を指導教員に希望する。
    入学してから、やっぱり途上国の現場の事を知らないと、研究の意義が深まらないと、思い、協力隊を本気で考えるようになる。
    教員がいいと思ったが、教員だと、「小学校教員」か「理数科教師」しか、職種としてなかった。数学ならば学部時代に、塾講師をバイトでしていたことがあり、中学までの数学ならば、特に問題はなかった。
    ザンプロを活用しての派遣を希望し、協力隊もなんとか一発で合格!晴れて、ザンビアへ
という5章仕立てのストーリー展開になっております。言いたいことは、別に文系だろうと行けるってことです。そもそも文系・理系の違いって、本人の興味の違いであって、本気でやろうと思えば、大体の問題は解決できるという、ことです。なので、文系だけど、理数科教師どうしようとか、考えているあなた!今やらないで、いつやるんですか?打席に立つ機会はこれで最後かもしれませんよ。「ここで打たなきゃ、誰が打つ?」
熱い協力隊談義は一度終わりにしまして、研究のことについて、話させていただきます。私の研究ですが、現在「ザンビア共和国における学校改善プロセス」というタイトルで行っています。
通常ザンプロは、協力隊活動中に調査をすべて終わらせるというのが、望ましいとされていますが、私の場合、学校をいくつか回らなければならない研究であったため、学期期間中に行かなければならなく、本業の教員業務があったため、結局予備調査までしか終えることができませんでした。本調査は、隊員としての活動が終わってから、またザンビアに赴き、1か月じっくり調査だけを行いました。それはそれで、準備に時間がかけられるので、いいのですが、調査にはお金と時間が必要なので、そこに関しては要検討が必要です。
最後にザンプロの利点についてです。ザンプロでの利点は、3つあると個人的に感じています。
まず、身分を持ったまま参加できる点です。休学で参加するので、協力隊が終わって帰ってきてもすぐにやることがあるので、暇を持て余すことがありません。
次に、指導教員の指導も工夫次第で受けることにより、現場の疑問をそのまま研究に活かせることです。そこが一番の強みである気がします。
そして、最後は、ザンビアに行く派遣前から、ザンプロ先輩隊員方から丁寧な指導を受けられることです。主に現地の教育情報の共有、教育政策文書の読み合わせ、模擬授業を行いますが、これは、訓練所でも教えてくれない現地の学校や生徒の現状を踏まえて行ってくれるので、かなり役に立つこと間違いなしです。参加者は模擬授業の準備で結構忙しかったりもしますが。
以上長々と書きましたが、熱く書かせてもらいました。私は、広島大学に来て、ザンプロに参加してよかったと本当に思っています。人生観というか、仕事に対する考え方が変わりました。今は、その気付きを活かすべく、これからの進路を進んでいきたいと思っています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2011年8月19日金曜日

「UNZA(University of Zambia)&HU(Hiroshima University)シンポジウム」


みなさん、ご無沙汰しています。ザンビアより野中です。
今年は8月9日にUNZAと広島大学の理数科教育シンポジウムが開かれました。準備期間では、予想通りUNZAに何度も訪問しなければなりませんでした。何度行っても何も進んでないことがあったりしました。プッシュプッシュでした。しかし、当日は9時スタートのところを6時半に到着したらしく、
早く来てくれと電話がありました。

当日、日本人からは馬場先生、野中、原田とJOCVより2名の方が発表しました。
ザンビアからの発表は楽しく聞けました。
写真はJOCV永井さんの発表の様子とUNZAの学生の方々です。

僕の発表は午前中にあり、緊張しましたが何とか無事言いたいことは言えました。
ランチの時間に、ザンビアの高校の教員でUNZAの学生をしている方がやってきて、
僕の発表に共感してくれました。
UNZAの学生の方にも聞いて欲しいと思いながら発表したので嬉しかったです。

高橋調整員には準備から当日まで、そして次の日の教師会もお世話になりました。
馬場先生にはこの一週間本当にお世話になりました。
ありがとうございました。



2011年8月10日水曜日

ザンビアから帰国しました。


 先日ザンビアの元同僚からメールがあり、
JETSの州大会の結果が分かりました。

州大会には、6月に行われた地区大会の、
各カテゴリー上位3名が出場でき、
各カテゴリーで優勝した生徒が次の全国大会に出場できます。


州大会前に任期が終わってしまい、
最後まで指導を続けることができませんでしたが、
4名の生徒が優勝し、全国大会の出場権を獲得しました。
生徒が活躍することのできる環境を整えることが、
協力隊の醍醐味の一つだと感じました。

ぜひ、全国大会でも優勝して欲しいです。

2011年6月13日月曜日

JETS( Junior Engineers Technicians and Scientists)と生徒と高阪さん


こんにちは、ザンビアより野中です。

先日、僕の住んでいるチョマ地区でJETSの大会がありました。

JETSでは、数学と理科に関するクイズや、テスト、プレゼンテーションなどを行い、他の学校と競い、上位3位までが、次の州の大会に出場できるというものでした。去年も出場し、僕の学校からは1人、州の大会に出場できる予定でしたが、教育委員会がトランスポートを用意できなかったため、当日にいきなり「行けません!」と言われました。

その雪辱を晴らすべく、今回は高阪さんの後押しもあり、JETSに力を入れようと準備してきました。結果は、クイズではプライマリーレベルで6校中1位、ジュニアレベルで14校中1位になりました。生徒が終わった後、抱き合っていたのが印象強いです。テストでは誰も入賞できませんでした。テスト中に他の学校の様子を期間巡視していたのですが、レベルが違うなと感じました。プレゼンテーションでは3人出場し、プライマリーレベル数学で1位、ジュニアレベル数学で3位、ジュニアレベル昆虫学で2位となり、生徒たちは頑張りました。偉いです!州の大会も生徒と一緒に頑張ってきます。

高阪さんの生徒もガスガス入賞して、高阪さんが見たことない笑顔をしていました。そんな高阪さんも月曜からチョマを離れます。すごくお世話になり、感謝しています。そして、協力隊4年目お疲れ様でした。

2011年6月2日木曜日

授業研究ワークショップ

先日配属先で、授業の質的向上を目指した、
授業研究のワークショップを開催しました。

ザンビアでの授業研究の歴史は浅く、
2005年に一部の州で導入され、
現在全国に広まりつつあります。
配属先では、今年度より本格的に授業研究が行われる予定です。

今回のワークショップでは、特に生徒の躓きに焦点を当て、
事前に配属先の教員と、隊員で指導案を作成しました。
当日に、その指導案をもとに議論し、1つの指導案を作り上げました。
そして、その指導案をもとに授業及び授業観察を行い、
討論を通して、次回の課題を明確にしました。


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ワークショップ後の反応や、アンケートから、
授業研究の利点が、配属先の教員に伝わったのでは無いかと思います。

任期も残り10日となりましたが、
配属先の教員が、授業の質的向上を目指し、
授業研究を継続して行ってくれればと思います。